〇〇さんって優柔不断だよね…」そんなことを言われた経験はありませんか?

また、いつも延々悩んでしまってなかなか決められない自分にもやもやしている人もいるかもしれません。

 

この記事では、「優柔不断」とはどのようなことなのかを知って、どうしたら「決める」ことができるようになるのか、ヒントをお伝えします。

「優柔不断」ってどういうこと?

「優柔不断」とは、「ぐずぐずしていて決断力に乏しいこと」「ものごとの判断がなかなかできず迷ってばかりいること」を言います。(※参考:Weblio辞書「優柔不断の意味・解説」

たとえば、選択肢があるとどれにするかを決められなかったり、決めないといけないことがあっても後回しにしてしまったりする状態です。

よく言えば、じっくり考えていて慎重である、とも言えるでしょう。

 

しかし、コスパやタイパが重視される中では、決められないことや決めるのに時間がかかることはよくないとされることも多く、チャンスを失ったり、一緒に行動する相手をいらいらさせたりすることにもなります。

 

優柔不断な人の特徴・パターン

「優柔不断」と言われる人には、いくつか共通点があります。

 

たとえば、こんな経験はありませんか?

  • メニューを決めるのに時間がかかる
  • 買い物に行ったときにお店を何周もしても買えない まま終わってしまう
  • 思いついた意見があってもほかの人の意見に流されてしまう

 

「あるある!」と思う人は、「優柔不断」な傾向があります。

 

「優柔不断」のタイプ

「優柔不断」とひとことで言っても、いくつかのタイプに分かれます。

 

  • 熟慮しすぎて時間がかかるタイプ
    あれこれ考えすぎて決断に時間がかかったり、完璧な答えを求めすぎてなかなか行動に移せなかったりします。
  • 重要な問題を先延ばしにしてしまうタイプ
    重要なことを重くとらえて腰が重くなったり、決めるのが怖くて考えるのを後回しにしてしまったりします。
  • 自信がなくて後悔や不安を抱えてしまうタイプ
    自分の判断に自信が持てず、失敗が不安で決められなかったり、決めたあとでも「これでよかったのかなぁ…」と悩んだりします。
  • 他者を基準にしてしまうタイプ
    自分の意見よりもほかの人の意見を優先したり、自分の意見を言わずまわりに合わせたり流されたりします。

 

「優柔不断」になる背景

「優柔不断」になってしまう背景、原因もさまざまです。

 

  • 性格や気質の影響
    生まれつき、慎重でリスクを避けたい性格だったり、完璧主義な傾向があったりする場合があります。
  • 育った環境や教育の影響
    親やまわりの人から「失敗してはいけない」「慎重に考えなさい」と言われて育つと、決めるのにプレッシャーがかかります。
    また、過保護や過干渉な環境にいて自分で決める機会が少なかった場合、決めることが苦手になります。
  • 過去の経験
    大きな失敗した経験がトラウマになっていて、また失敗したくないのでなかなか決められなくなることがあります。
  • 自己肯定感が低い
    自信がないため、「自分の判断は間違っているかもしれない」と不安に思って決められなくなります。
    また、ほかの人を優先したり意見がある人に従ったりしがちで、自分で考えて決められなくなります。

 

これらの背景に加えて、今の社会は情報量も選択肢も多いため、必要な情報から適切な判断をするのが難しくなっています。

優柔不断な傾向の人が、より選択しづらい状況と言えます。

 

「優柔不断」だと何が困る?優柔不断のデメリット

優柔不断なことのデメリットには以下のようなものがあります。

 

優柔不断は時間の無駄

かんたんなメール返信、お昼ご飯に食べるもの、今日着ていく服、などの些細なことでも迷ってしまって時間を使ってしまう。

その結果、重要な仕事をする時間や、やりたいことをやる時間など、大事な時間が少なくなります。

 

優柔不断は労力の無駄

買い物をするときに、何件ものお店をまわったり、オンラインショップで口コミをたくさん調べたり、よいものを選びたいという思いで膨大な労力をつぎこんでしまう。

その結果本当によいものが選べたらいいですが、調べすぎて余計にわからなくなったり、つかれてしまって決められなかったりすることもあります。

 

優柔不断は機会損失になる

やってみたい業務に手を挙げるか悩んでいるうちに、ほかの人が希望して決まってしまう。

買いたいものがあるのに迷っているうちに、売り切れて買えなくなってしまう。

せっかくのチャンスなのに決めきれずに逃してしまって、また同じような機会があるとは限りません。

 

優柔不断は信頼を損なう

意見を聞かれてもあいまいな回答しかできなかったり、意見を言わないでごまかしたりして、頼りない印象を与えてしまう。

はやく決めないといけないことを先延ばしにしていて、責任感がないように思われてしまう。

決められなかったり先延ばしにしたりすることで問題が発生し、ビジネスでもプライベートでも相手の信頼を失ってしまいます。

 

優柔不断はストレスが増える

何を選ぶのがよいのか決められないまま考え続けることになってしまう。

決めた後でも「ほんとうにこの結論でよかったのか」と不安になったり後悔したりしてしまう。

決められないことで悩みが増えたり、悩んでも無駄なことに悩み続けたりすることになり、ストレスになります。

 

 

「優柔不断」のメリットは?

優柔不断なことは悪いことばかりではありません。以下のようなメリットもあります。

 

慎重で安全

決める前によく調べて検討して、失敗を少なくできる。事前にしっかりリスクを洗い出し、トラブルを防ぐことができる。

慎重にていねいに考えるため、問題が起こりにくくものごとをスムーズに進めたりすることができます。

 

リスク回避

投資などのハイリスクハイリターンな選択肢よりも、安全で確実な選択肢を選ぶ。

大きな失敗や損失をなくし、安心して進められます。

 

あいまいな状況への耐性

新しい仕事や不確実な状況でも、焦らず慎重に考えて状況を見て対応できる。

明確な答えのない状況に対して、冷静に考えたり、不安な状況を受け入れたりすることができるのは、「曖昧耐性」や「ネガティブケイパビリティ」が高いとも言えます。変化が大きく未来が見とおせない現代社会では大切な力です。

 

 

「優柔不断」の改善のコツ

「優柔不断」の特徴やパターン、優柔不断になった背景によって、さまざまな対応が考えられます。

それぞれの人に合う対応方法を知ることで、「優柔不断」は改善していくことができるでしょう。

 

また、「優柔不断」のデメリットに対応していくためには、自分で考える、自分で決める、ということができるようになることが重要です。

そのためのコツを見ていきましょう。

 

 「決める」習慣をつくる

小さなことから決めるトレーニングをしてみましょう。

 

たとえば、以下のようなことからはじめてみてはいかがでしょうか?

 

  • 食べたいものを決めて食べる
    すぐ食べられるもの、食べてしまったほうがいいもの、などではなくて、自分が食べたいと思うものを決めてみましょう。
  • 考えたことを口に出す
    正しいか、ほかの人と同じかどうか、などを気にせずに、まず自分の考えを口にしてみましょう。自分の意見を主張しなくてもよいので、伝えてみるところからはじめましょう。
  • 自分のための時間をつくる
    1日に5分や10分でもいいので、自分のために自分のやりたいことだけをする時間を取ってみましょう。自分のやりたいことや自分の思いに意識する癖をつけましょう。

このような、「これくらいなら決められる」と思える小さな決断から、「決める」ということ自体に慣れていきましょう。

慣れることで、仕事や大事なシーンでも、決めることが苦になりにくくなります。

 

決めるトレーニングをしてみても迷ってしまうというようなときには、「最初に浮かんだ案に決める」など決めるルールをつくってしまうのも一案です。

 

人の顔色をうかがわない

自分の考えに自信がなかったり、自分の考えを持っていなかったりすると、人の意見に合わせようとしたり、いろんな人の意見を聞いて迷ったり翻弄されたりしてしまいます。

まず「自分がどうしたいか」「自分はどのように感じているか」を確認する癖をつけましょう。

自分の意見を決めてから人の意見を聞くことで、流されにくくなります。

 

完璧な答えはないと知る

絶対に正しい選択をしたい、失敗したくない、という思いから、これでよいと思えるまで悩んでしまい、なかなか決められなくなります。

しかし、絶対に確実な完璧な答えというものはありません。変化の激しい今の社会では、最適な案もどんどん変わっていきます。

今決めたからといって、それが一度きりのことでなく、何度もアップデートし決め直していくものだと認識しておきましょう。

 

まとめ

ここまで述べてきたように、「優柔不断」とひとことでいってもいろいろなタイプがあり、いろいろな背景があります。

また、「優柔不断」にはデメリットだけでなくメリットもあり、いちがいに悪いこととは言えません。

 

単純に「優柔不断だから改善しないと!」と考えるのではなく、自分のタイプや癖などを知り、なぜ迷ってしまうのか決められないのかを理解しましょう。

自分の優柔不断のよさを活かしつつ、よくない点を改善していくことで、決めるべきところで決められるようになります。

まずかんたんな一歩からはじめていって「決められる人」になりませんか?